小説『蜂蜜と遠雷』を読み終えて

『蜂蜜と遠雷』の映画を観に行く前に、すこしだけ読み始めて映画館に入った。

蜜蜂と遠雷

冒頭から、次は次は?と読み進めたくなる文章だったのでその本を閉じて、期待しながら観た映画は、ちょっと思い違いで残念だと感じてしまった。

もちろん原作の読み込みができていないのと、そもそも私がピアノやら音楽への造詣が浅いのは原因だということはわかっている。

自分で納得がいかなかったのと、どうしても読み終えたかった本だったので、時間がかかったが本日読み終えたところ。

映画で私が疑問をいだいていたのは、最初と終盤にでてくる雨に濡れた馬のシーン。

突然イメージショットのように流れてくる馬の映像に

まったく理解ができずに、冷めてしまったのだ。

ただ、重要なメッセージなのだろうとは察した。なにしろ2回も出てきたのだから。

その答えを探しあてたく、読み進めた。

そして

ようやくその文章を見つけることができた。

文庫本下巻にその記載があった。

不意の、遠い昔のことを思い出した。

まだピアノを引き始めたばかりの頃、窓辺でじっと雨音を聞いていた時のこと。

トタン屋根に落ちる雨が不思議なリズムを刻み、初めて「雨の馬が走っている」と気付いた時。はっきりと、天をかける馬のギャロップが聞こえてきた瞬間

映画のあのシーン、雨の中を馬が走っている映像から、リズムを感じ取らなければいけなかったのだ。

主人公、亜夜が幼い頃に、雨音から音楽を見つけ出した思い出、そして、このコンクールでその時の感情が湧き戻ってきた

その感覚を、主人公とともに共有しなければいけなかったシーンなのた。

もし、原作を読んでから映画を観ていたら私はこのシーンの意図に気がついて、’雨に濡れた馬’のシーンではなく、ギャロップが流れている

気づくことはできたのだろうか。

もしそうだとしたら、この映画はもっと面白く観れたはず

そう思うと。残念でしかなくて

読み終わった今では

また映画を観に行って確かめたい、音楽を聞きたい気分でいっぱいになっている。

 

原作と映画は、似ているが違うものと理解はしていたつもり。

映画の内容は、原作どおりではなく、かなり絞りストーリーも変わるもの。

 

文章にしかできない表現。すごいな。恩田陸さん。

 

こんなにも世界は音楽に満ちている。

 

耳を澄まして音楽に気付いて楽みたいな

バイエルンも終えられなかったピアノ経験者も魅了してくれた

敬意を祓うすばらしい文章でした。

読み終えて

世界は感動に満ちている。

そんな気分です。

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