🍊 わが家の冬の定番
幼い頃、こたつでミカンを食べるのが大好きだった。
母が買ったものか、誰かからのいただきものかは知らないが、箱のミカンが食べ放題。わが家の冬の定番だった。
食べても食べてもなくならない。
今日食べても、明日もまだある。
「昨日は食べ過ぎだったから、今日は食べてはいけません!」などとは、誰も言わない。
毎日ミカンを頬張るワタシを見て、家族は「好きなのねー」と、あたりまえのように優しく見守ってくれていた。
🦷 医者といえば歯医者
そんなワタシは、すぐに虫歯になるタチだった。
歯が痛くて一晩中泣いていれば、姉も「かわいそうに」といっしょに泣いてくれた。
風邪をひいても熱が出ることはなく、学校を休むことはなかった。しょっちゅう扁桃腺を腫らして熱を出していた姉に比べ、ワタシはとても健康体だった。
一方、歯が痛いのは、しょっちゅうだった。
なのに歯医者は嫌いだった。口の中で工事機械を操作されているような音と振動が、どうにも苦手だった。
だから、できるだけ歯の痛みは我慢した。
がまんして、がまんして、痛みに耐えきれなくなって、やっと歯医者に連れて行ってもらう。
そうしているうちに、ワタシの歯はどんどん悪くなっていった。
おかげで、中学生で虫歯のために前歯を失った。いちばんよく見える上の歯2本を、差し歯にした。
もちろん奥歯も、一本、また一本と穴が空き、抜かれ続けていった。
ひとり暮らし
東京に上京して、ひとり暮らしが始まった。
大好きなミカンも、自分で買わなければならない。実家から送られてくる分だけに限られた。
おかげで、昔ほどミカンを食べなくても過ごせるカラダに成長していた。
贅沢はしなくなった。
歯が痛くなって駆け込んだ歯医者の態度が気に入らず、なんとなく嫌な気分で、通院は続かなかった。
鎮痛剤は、よく飲んでいたなぁ。
就職
就職と言っても、アルバイトからそのまま社員になっただけ。
就職活動はワタシには向かないと思ったので、ひとつも挑戦しなかった。
就職先は、立ち上げ間もない小さな法律系の事務所だった。
歯痛がやまず仕事にならず、10歳年上の経理の女性に、近くの歯医者を教えてもらった。
事務所から徒歩3分くらいのその歯医者さんは、おじいちゃん先生だった。
歯医者に通い慣れているワタシは、歯医者の腕はよくわかる。このおじいちゃん先生、上手だ!
あちこち治すところが多すぎたが、さすがにおとなになって、歯医者に行かないと歯は治らないとわかっていたので、まめに通った。
また、差し歯
ついに、前歯4本が差し歯になった。
2本だけでは足りず、4本揃って差し歯になった。
仕方がないけれど、歯医者にはお金がかかる。給料をもらえていたことに、雇い主に感謝しておくときだった。
神のお告げか
よく行く神社がある。
ふとした話題で、金運には金! 金を身につけるといい、と教わった。
直接、身につけるといえば……総金歯になるのかな?
口元でキラリと光る、並んだ金歯を想像して、ひとり笑った。
⭐ 金歯で金運チャンスを得よ
結婚もして、子どもも産んで。
また歯医者を探さなくてはならなくなった。就職先で通っていたおじいちゃん歯医者さんは、辞めていた。
仕方ない。あれから10年。おじいちゃん先生だったからね。
法律系事務所を辞めてからは、歯医者ジプシーとなって、相性の合う歯医者さんを探し求めていた。
通いやすい場所にある、知り合いのいとこの歯医者さんを紹介してもらった。
昔の差し歯の調子がよくなく、差し替えることになった。
歯の治療法も進化しているものの、保険が効く・効かないもありまして。
四十を過ぎたら、落ち着きも必要、お金も必要。
金運を求めて――「金歯にするでしょ!?」
総入れ歯じゃなくて、総差し歯。前歯4本の治療は必要だけれど、4本だけが浮いている感じが、気になっていた。
自分でも気になるくらいだから、目の前で話している人は、もっと気になるはず。
思いっきり口を開けて笑いたいし、金運も手に入れたい。
差し歯の説明の中に、金を入れるものがあった。
いや、金歯はさすがにイヤよね、と思ったが、実際には素材に金が使われているだけで、前からも裏からも、どこからも金が見えるものではないらしい。
「金にします!!!」
躊躇なく、金の差し歯になりました(ニコリ)。
娘の歯
さて、ワタシが産んだという娘の歯の性質はといえば。
なんとも、キレイでしっかりした歯のまま成長してくれました。
やっぱり、ワタシの歯が異常に弱かったのは、毎晩ミカンを思いっきり食べながら、歯磨きもろくにせずに寝ていた、幼少期のワタシのろくでもない生活習慣のせいだったのだと、深く深く後悔しているのでした。
おまけ
さて、金歯ならぬ金の素材を使った差し歯の、金運への影響が気になっている方も、いらっしゃるかもしれません。
ひとことおまけで、添えておきましょう。
はい。ご褒美(なんの?)は、還暦のあとで、しっかりいただきました。
そして相変わらず歯医者通いは続いていて、最近めでたく、上も下の歯も、みごと総差し歯とあいなりました。
ちなみに、今も同じ歯医者さんに通っています。
時代も変わり、歯科技術もすすんでいて、金を使った素材はすでになく、軽くていい素材を使ったものにしました。
皆さま、自分の歯は、できるだけ長く残してくださいね。
ワタシのように、歯医者通いにたくさんの時間とお金を費やす必要のない、よく噛みよく食べる生活を、どうぞお送りください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
🪥 わたしが毎日使っている歯のケア用品
こんなワタシだからこそ、いま残っている歯と、差し歯たちは、大事に大事に手入れしています。歯医者さんに教わりながらたどり着いた、毎日の相棒たちを、そっとご紹介します。同じように歯に悩んできた方の、なにかの参考になればうれしいです。
(※ここに、実際に使っているケア用品を紹介予定です)

