スピルバーグの新作『ディスクロージャー・デイ』は、私には難しかった【ネタバレ注意】

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【ネタバレ注意】この記事は、映画の結末に触れています。これからご覧になる方はご注意ください。

スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ディスクロージャー・デイ』を、飛行機の中で観ました。

スピルバーグ監督の王道の作品は、『ジョーズ』も『インディ・ジョーンズ』も『E.T.』も観てきました。そのスピルバーグ監督が、宇宙人と政府が隠してきた真実を描くと聞いて、とても期待していました。

ところが、観終わったときの正直な気持ちは「よくわからなかった」でした。私の理解力が足りないのだろうと思いつつ、不可解なまま終わってしまったのです。残念というより、悔しい。そんな映画でした。

どんなお話?

舞台は、宇宙人やUFOが実在する世界です。ロズウェル事件のころから、政府の秘密組織がその存在を隠し続けてきました。

エミリー・ブラントが演じるマーガレットと、ジョシュ・オコナーが演じるダニエルを中心に、隠されてきた証拠を世界に「開示(ディスクロージャー)」しようとする人たちと、それを阻もうとする組織との攻防が描かれます。

期待したのは、何が「開示」されるのか?

タイトルが「ディスクロージャー(開示)」ですから、最後には何が明かされるのか、それを楽しみに観ていました。

ところが、観終わっても、私にはよくわかりませんでした。最後まで物語を追いかけたのに、すっきりしないまま終わってしまったのです。

私の不勉強なのかな。そう思いました。

わからなかったのは、私だけ?

わからなかったのは私だけなのかと気になって、調べてみました。すると、「難解だった」という感想は日本でも海外でも多く、解説記事もたくさん出ていました。

脚本家のデヴィッド・コープは、映画をマーガレットの「Listen(聞いて)」という一言で終わらせることを、最初から決めていたと話しています。「聞いて」という言葉には、これから大切なことを伝えるという意味と、人と人がお互いに耳を傾けようという意味の両方を込めたそうです。一言ですべてを言えたなら、それ以上は語らない、という考えなのだそうです。

解説記事の中には、結末の受け止め方は観る人に委ねられている、と読み解くものもありました。

どうやら、私の理解力だけの問題ではなかったのかもしれません。それでも、すっきりしない気持ちは残ります。

事前の勉強は必要だった?

観終わってから、「事前に勉強しておく必要があったのかしら」とも思いました。

解説を読んでみると、ロズウェル事件や、アメリカで実際に議論されているUFO情報の公開について少し知っていると、物語の背景はつかみやすくなりそうです。

ロズウェル事件とは

1947年7月、アメリカ・ニューメキシコ州のロズウェル陸軍航空基地が、「近くの牧場に墜落した空飛ぶ円盤の残骸を回収した」と発表しました。このニュースは、たちまち世界に広がります。

ところが軍は、すぐに「回収したのは円盤ではなく、気象観測用の気球だった」と訂正しました。その後、事件は長く忘れられていました。

1980年前後になると、UFO研究者の本などをきっかけに、再び注目が集まります。1994年には、アメリカ空軍が「回収されたのは、旧ソ連の核実験を探知するための秘密計画(モーグル計画)の気球だった」と発表しました。

それでも、「政府は本当のことを隠しているのではないか」という疑いは消えず、ロズウェル事件はUFOの存在を隠す政府の象徴のように語られ続けています。『ディスクロージャー・デイ』も、この事件のころから政府が宇宙人の存在を隠してきた、という設定から始まります。

これからご覧になる方は、こうした背景を少し知ったうえで観ると、私よりも物語を受け止めやすいかもしれません。

真実を知る権利を問う映画だからこそ

この映画は、宇宙人の存在そのものよりも、政府が隠してきた真実を人々に明かすべきかどうかを描いた、社会的なテーマの作品です。作中でも、「人類は真実を受け止めきれない」と考える人たちと、「人類には真実を知る権利がある」と考える人たちがぶつかり合います。

真実を知る権利を問う映画で、しかも題名は「ディスクロージャー(開示)」です。題名が題名なだけに、何が開示されたのかを、私は自分の中でしっかり受け止めたかったのです。

それができなかったことが、なんとも歯がゆい。残念というより、悔しい。それが、観終えた私の正直な感想です。