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道尾秀介さんの『シャドウ』を、Audibleで聴き終えました。
どんなお話?
主人公は、小学五年生の我茂凰介(がも・おうすけ)です。お父さんとのささやかな幸せを願う少年が、悩み苦しんだ果てに、思いもよらない真実にたどり着きます。
物語には医科大学が出てきて、医療に携わる大人たちが登場します。そして、心の病と医師が、物語の大切なテーマのひとつになっています。
道尾秀介さんの作品は、これまでにも
道尾秀介さんの作品は、これまでにもAudibleで聴いてきました。
- 『カエルの小指』(2024年2月)……詐欺師たちが活躍する、痛快などんでん返しのお話です。
- 『N』(2026年2月)……6つの章を、どの順番で読むかによって物語の見え方が変わるという、仕掛けのある小説です。
先が読めてしまうのでは、と心配していました
聴き始めたとき、私は少し心配していました。これまでミステリーをたくさん読んできたので、先が読めてしまうのではないか、と思ったのです。
今思えば、自分を過信して、勝手に心配していただけでした。
とんでもない。想像をはるかに超えていました
先が読めるなんて、とんでもありませんでした。私の想像をはるかに超えるお話だったのです。
ひとつ謎が解けたと思ったら、次、また次と展開が進んでいきます。そのたびに驚かされて、最後まで驚きの連続でした。
なかでも、ある人物が「シャドウ」に選んだ相手がわかったとき、私はこのお話の本当のすごさがわかりました。題名の『シャドウ』という言葉の重みが、そこでがらりと変わって感じられたのです。誰が、誰を選んだのか。それはぜひ、ご自分の耳で確かめてください。
私のように「ミステリーは読み慣れているから」と思っている方にこそ、この驚きを味わってほしいと思います。
心に向き合う人たちのこと
聴き終えて、もうひとつ心に残ったことがあります。それは、心の病に向き合う人たちのことです。
心の病を抱える患者さんが大変なのは、もちろんです。けれど、それと同じくらい、向き合うお医者さんの方々も大変なのだろうと思いました。日々、人の心に深く寄り添いながら、自分自身のふだんの暮らしとの釣り合いを保っていく。その難しさは、私には想像しきれないものがあります。
もうひとつ考えさせられたのは、心の病が関わる事件の判断の難しさです。そうした事件では、医師の診断や鑑定が、その後の判断を大きく左右します。医師の診断だけに頼ってしまうところに、思わぬ盲点もある。道尾さんは、物語を通してその問題点を浮き彫りにしています。私は聴きながら、なるほど、そういう問題もあるのかと考えさせられました。
本格ミステリ大賞の受賞作
『シャドウ』は、第7回本格ミステリ大賞の受賞作です。
本格ミステリ大賞とは
ミステリー作家や評論家でつくる「本格ミステリ作家クラブ」が、2001年に始めた賞です。会員の投票で選ばれ、伏線や謎解きのおもしろさを大切にする「本格ミステリー」の中から、その年の優れた作品に贈られます。謎解きの好きな人たちが選んだ賞ですので、ミステリー好きの方には一つの目安になると思います。
道尾作品が気になった方へ
『シャドウ』で道尾秀介さんの作品が気になった方には、『カラスの親指』もおすすめです。私が聴いた『カエルの小指』は、この『カラスの親指』の続編にあたります。『カラスの親指』もAudibleで聴くことができます。
Audibleで聴いてみたい方へ
私はこの本を、Audibleで聴きました。Audibleには、初めての方向けの無料体験があります。無料体験の期間や料金、キャンペーンの内容は時期によって変わりますので、詳しくはAudibleの公式ページでご確認ください。
※Amazonのアソシエイトとして、あら還おとなの好奇心は適格販売により収入を得ています。
