耳で聴くホラー、こわいのに止まらない。澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

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澤村伊智さんの『ぼぎわんが、来る』を、Audibleで聴き終えました。

昔から伝わる、ちょっと不思議な言い伝え。それが、もしも現実に起こったら……。そんな、ちょっと怖いお話です。

ちょっと怖い。でも、どんどん引き込まれて、最後まで聴いてしまいました。

「ぼぎわん」って、いったい何?

題名を聞いただけでは、何のことかさっぱりわかりませんよね。私もそうでした。

主人公は、幸せな新婚生活を送っていた田原秀樹という男性です。ところが、その秀樹のまわりで、不審な出来事が起こり始めます。生まれてくる娘の名前を知る者からの伝言。正体のわからない傷を負った後輩……。

そこから浮かび上がってくるのが、亡くなった祖父が恐れていた「ぼぎわん」という化け物の存在です。

亡き祖父が恐れていた、昔からの言い伝えのイメージ

言い伝えが、現実に起こったら

子どものころに聞いた、こわい言い伝え。「悪いことをすると、〇〇が来るよ」なんて言われた覚えのある方も、多いのではないでしょうか。

この物語では、そんな昔からの言い伝えが、現実のものとして家族に迫ってきます。秀樹は家族を守るため、霊媒師の女性に助けを求めますが、相手は想像以上に手ごわい存在でした。

夜にひとりで聴くのは、ちょっと勇気がいりました……。
幸せな家族のもとに何かが近づいてくるイメージ

Audibleの読み手に、すっかり引き込まれた

今回いちばん感じたのは、Audibleならではの楽しさでした。

読み手の方の緩急が、とにかくすばらしいのです。静かに語るところ、たたみかけるところ。その声の変化に、どんどん物語の中へ引き込まれていきました。

文字で読むのとはまた違う、耳から入ってくる怖さ。これは、聴く読書ならではの味わいだと思います。

声の力って、すごいのですね。

へえ! その1 ホラー小説の大きな賞を受けたデビュー作

『ぼぎわんが、来る』は、2015年に第22回日本ホラー小説大賞の〈大賞〉を受けた作品です。選考委員の方々から高い評価を受けたのだとか。

へえ! その2 映画にもなっています

この小説は、2018年に『来る』という題名で映画化されています。原作を聴いたあとに、映像でどう描かれたのか見比べてみるのも楽しそうです。

ホラーが苦手な方にも、聴いてみてほしい

怖いお話ではありますが、ただ怖がらせるだけではなく、昔話や言い伝えの不思議さに引き込まれる物語でした。

そして何より、読み手の声の緩急が、物語をぐっと引き立ててくれます。いつもとはちょっと違うジャンルに手をのばしてみたいとき、耳で聴くホラーを試してみるのもいいかもしれません。

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