十二国記『風の海 迷宮の岸』。10歳の男の子の大役に、がんばれと応援したくなる物語

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【ご注意】この記事は、物語の設定(出版社の紹介文で明かされている範囲)に触れています。誰が王に選ばれるのかなど、結末には触れていません。

小野不由美さんの十二国記シリーズ『風の海 迷宮の岸』を、Audibleで聴き終えました。

前作『月の影 影の海』に続く、シリーズのEpisode 2です。10歳の男の子が、異国で大きな役目を果たすまでを描いた、かわいらしくて、ドキドキする物語でした。

どんなお話?

主人公は、日本で人の子として育った10歳の男の子です。

実はこの子は、十二国のひとつ・戴国の麒麟でした。麒麟は、天の意思を受けて王を選び、玉座に据える神獣です。天地を揺るがす〈蝕〉によって日本に流され、何も知らないまま人の子として育ってきたのです。

十年後、故国へ連れ戻された男の子は、麒麟としての自分の役割がわからず、戸惑います。国の命運を担う王を、自分は本当に選べるのか。

日本で心を痛めていた男の子

日本での男の子は、長男であるがゆえに、お父さんから理不尽に叱られていました。そして、そのことでお母さんがつらい思いをしている。幼いながらも、男の子はそのことに心を痛めていたのです。

小さな胸で家族のことを思う姿が、聴いていて切なくなりました。

異国で、やさしく迎えられて

そんな男の子が、実は……。

異国では、女仙と呼ばれる女性たちが、男の子をやさしく迎え、大切に世話をしてくれます。日本でつらい思いをしていた男の子が、ここでは心から大事にされている。その様子に、聴いているこちらもほっとしました。

王を見つけるという大役

けれど、男の子には、自分の主となる王を見つけるという、とても大きな役目が待っています。

まだ10歳。麒麟とは何なのかも、よくわからない。それでも懸命に向き合っていく姿は、かわいらしくもあり、見ているこちらがドキドキするほどでした。

穏やかに「がんばれ」と応援したくなる物語

前作の『月の影 影の海』は、主人公がひとりで闘い抜く、緊張感のある物語でした。

それにくらべて今回は、とても穏やかなお話です。聴きながら、何度も「がんばれ」と男の子を応援していました。同じ十二国記でも、作品ごとにまったく違う味わいがあるのも、このシリーズの楽しみなのだと思います。

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