人生初のたこ焼き ワクワクから奈落の底へ ── 皮がまわらないぞ

たべる

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近いうちに、友だちが遊びに来ることになりました。さて、何をしよう。……そうだ、たこ焼きパーティーはどうかしら!

みんなで鉄板を囲んで、くるくる焼いて、熱々をほおばる。想像しただけで楽しくなってきます。とはいえ、いきなり本番というのはさすがに心配です。そこで日曜日、ひとりでこっそりお試しをしてみることにしました。

思い立ったが吉日、道具はそろっている!

じつは、準備はすでにばっちりなのです。

たこ焼き器は、南部鉄器のものを買ってありました。電気のたこ焼き器は、これまで一度も使ったことがありません。それなら電気よりガスがいいかな、と選んだのがこれです。重たくて、黒くて、いかにも「おいしく焼けますよ」という顔をしている頼もしい道具です。

油ひきと、たこ焼きを回すピックも用意済み。そしてたこ焼きの粉は、「蛸いろ」さんで手に入れたもの。かまいたちの濱家さんがおすすめしていた粉なので、味はまちがいないでしょう。

天かすは、オタフクのいか天入り「天華」を用意しました。

たこ焼き粉「蛸いろ」、油ひき、オタフクのいか天入り天かす「天華」

道具よし、粉よし。気分はすっかり、たこ焼き名人です。

くるっと回して、まん丸に。動画で見たあれ、私にもきっとできるはず!

いざ、人生初のたこ焼き!

たこ焼きを焼く動画は、これまで何度も見てきました。みなさん、いとも簡単にころころと回していますよね。あれを見ていると、自分にもできそうな気がしてくるから不思議です。というわけで、とくに深く考えず、うきうきと取りかかりました。

ガスコンロに南部鉄器をのせて、油をひいて、生地を流して。ジュワーッという音に、ワクワクは最高潮です。具は、たこに天華。それから冷蔵庫にあった乾燥しらすと、乾燥しょうがもぱらり。

さあ、いよいよ回します。

……ところが。

皮が、まったくまわらないのです。串を入れると皮は破れ、中身はくずれ、まわりはどんどん焦げていくばかり。あれ? あれれ?

南部鉄器のたこ焼き器で焼いた1回目。皮がまわらずに崩れている

まん丸になってくれたのは、端っこの2個だけでした。

お皿にのせた1回目のたこ焼き。丸いのは2個だけで、残りは崩れている

人生初のたこ焼きは、見事に無惨なものでした。ワクワクの頂上から、奈落の底へまっさかさま。がーん。

大阪の人って、みんなこれを上手に焼けるのかしら……。

どうして回らないの? さっそく調べてみた

動画ではあんなに簡単そうだったのに。悔しいので、写真を見ながら原因を調べてみました。わかったのは、だいたいこの2つです。

  • 生地が少なすぎた:生地は穴の中だけでなく、プレート全体が浸かるくらい、あふれるほど流すのが正解だそうです。生地が足りないと、具を包みきれず、回したときに皮が破れてしまうのだとか。
  • 火が片寄っていた:ガスコンロは炎が一部に集中するので、焦げるところと、まだ生のところができてしまいます。

大阪の方がみなさん上手なのは、子どものころから「たこパ」で何度も焼いて、手が覚えているからなのだそうです。

へえ! その1 南部鉄器は「育てる」道具

鉄器は、使うほど油がなじんで、くっつきにくくなっていくのだそうです。家庭でよく使われるフッ素加工の電気たこ焼き器にくらべると、慣れるまでは少し難しい道具。そのかわり、外がカリッと焼ける仕上がりは格別なのだとか。最初からうまくいかなくて当たり前、と思うと気が楽になりますよね。

リベンジ! 2回目こそは

気を取り直して、もう一度。今度は生地をたっぷり。穴からあふれて、プレートがまるごと生地の海になるくらい流しました。たこに天かす、乾燥しらすに乾燥しょうがをぱらり。

2回目。生地をたっぷり流して、プレート全体が生地でおおわれている

見た目は、かなりそれらしくなってきました。鉄器は十分に温めて、油もしっかり引いたつもりです。今度こそ、いける気がする!

……が、またしても。

時間をかけても、パリッとした皮ができないのです。待っても待っても、串を入れるとふにゃり。回すタイミングもわからないまま、結局、まん丸になったのはまた1個だけでした。

2回目の焼き上がり。丸くなったのは左端の1個だけで、ほかは皮ができずに崩れている

奈落の底に、もう一段下がありました。

くるっと回るものと、いつまでたっても皮ができないもの。いったい何が違うのかしら。大阪の友だちがいたら、すぐに聞けるのになあ。

「皮ができた合図」は、串で触ってわかる

そこでもう一度調べてみると、皮ができたかどうかは、見た目よりも串で触った感触で確かめるのがいちばん確実なのだそうです。

  • 穴と穴の間の平らなところの生地が、白から薄い黄色に変わって乾いてくる
  • 穴のふちに竹串を差し込んで少し傾けると、底がお椀の形のまま「スッ」と動く

破れたり、くっついて動かなかったりするときは、まだ早いのだとか。中火なら、生地を流してから2〜3分が目安だそうです。

たこ焼きの回し方の図。底がお椀になったら串で90度起こし、もう一度回して丸くする

へえ! その2 表面は「生のまま」回していい

私はてっきり、上まで固まってから回すものだと思っていました。ところが実は反対で、表面がまだ生のうちに、底のお椀を90度だけ起こすのがコツなのだそうです。穴にたまった生の生地が下に流れ込んで、それが反対側の皮になります。待ちすぎると流れ込む生地がなくなって、丸くならないのですね。次は、ここも意識してみます。

次こそは! たこパ本番に向けて

南部鉄器を洗っていたら、穴の底に前回の焦げがリング状に残っていました。ここに生地がくっついていたのですね。次は焼く前にきれいに落として、油をなじませ直してから挑戦します。

次こそは!3つのポイント。串で確かめる、生地はたっぷり、焦げはきれいに

本番の前にお試しをしておいて、本当によかったと思います。いきなり友だちの前でこうなっていたら、もっと心が折れていたはずですから。今日の失敗は、立派な予行演習です。

60代になっても、人生初のことはまだまだあります。うまくいかなくて「がーん」となるのも、それはそれで楽しいもの。粉は折り紙つきなので、あとは私の腕しだい。友だちが来る日までに、まん丸を目指して練習します。うまく焼けるようになったら、成功編もこちらで報告しますね。

まん丸になるのは、いつも左の列

あとから写真を見比べていて、気がついたことがあります。1回目も2回目も、まん丸になってくれたのは、いつもいちばん左の列の穴だったのです。

どうやら、ガスの炎がよく当たる穴だけが熱くなって皮ができ、ほかの穴は温度が足りていなかったようです。腕のせいだけではなかったのかもしれません。

とはいえ、南部鉄器が悪いわけではありません。慣れている人が使えば、きっと上手に焼けるはずです。初心者の私がいきなり使うには、難しかっただけなのです。

初心者向けには、カセットガスで使う、たこ焼き専用の器具もあるのです。イワタニの「炎たこII(えんたこ)」。

へえ! その3 プレートの隅々まで炎が届くたこ焼き器

イワタニの「炎たこII」は、U字型のバーナーで、プレートの隅々まで熱が均一に伝わるように作られているのだそうです。プレートはフッ素加工で、こびりつきにくいのだとか。まさに、私の悩みにぴったりの道具です。

きっとこれなら、失敗しないのかもね。

では、わが家の南部鉄器はどうなのでしょう。炎がよく当たる左の列しか焼けないのであれば、初心者の私がこのプレートで作れるのは、最大3つが限界ということでしょうか?

たこ焼き名人のみなさん、どうか、どうか……

だれか教えて〜!

いっそのこと、たこ焼き名人の弟子に入りたいです。

今回使った道具

今回使った道具

  • たこ焼き器:岩鋳(Iwachu)南部鉄器 たこ焼23穴 IH対応 黒焼付(24025)
  • たこ焼きピック:貝印(KAI)たこ焼きピック
  • 油ひき:貝印(KAI)まいど本舗 タコやん 油ひき
  • たこ焼き粉:蛸いろ
  • 天かす:オタフク いか天入り天かす「天華」

私が使った南部鉄器のたこ焼き器です。慣れた人なら、きっと上手に焼ける道具です。私も使いこなせるよう、練習あるのみです。

これから道具をそろえるなら、貝印(KAI)まいど本舗のたこ焼きツール5点セットもあります。ピックや油ひき、粉つぎなどがひとそろいになっているので、これならセットでOKです。

プレートの隅々まで火が届くという、イワタニの「炎たこII」はこちらです。