60代が観た『ゴジラ-0.0』── 怪獣の映画ではなく、日本人の映画だった

みる

映画『ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)』を観てきました。

前作の『ゴジラ-1.0』も観ていたので、続きをずっと楽しみにしていたのです。今日出かけたのは、109シネマズプレミアム新宿。朝8時45分からの回が、ちょうどよい時間でした。ゆったりした席で、じっくり観ることができました。

109シネマズプレミアム新宿のシアター8の入口。ゴジラ-0.0、8時45分の回の表示
朝8時45分の回。シアター8で観ました

本当は、お隣のTOHOシネマズ新宿で観るのがいちばんなのでしょうけれどね。なにしろ、ゴジラのいる映画館ですから。

TOHOシネマズ新宿のビルの上から顔を出すゴジラと、ゴジラ-0.0の大きな広告
ビルの上から、ゴジラがのぞいています
高いところから見下ろした、ビルの屋上のゴジラの後ろ姿
上から見ると、こんな後ろ姿でした

観終わったいま、怪獣たちの姿はもちろんしっかり目に焼きついています。でも、それ以上に胸に残っているのが、戦争のこと、戦後の暮らしのこと、家族のこと。上映中、感情が揺さぶられっぱなしでした。

ハンカチ、持っていってよかった……。

どんなお話?

お話は、前作から2年後の日本です。人々は必死に生きていますが、日常が戻ったとはとてもいえません。銀座は壊されたままの街で、孤児たちの姿もまだあります。みんな、まだ戦争から立ち直れてはいないのです。

そこにやってくるのが、ギドラです。タイトルは「ゴジラ」でも、今回の中心はギドラ。松江市にあらわれ、街や人々をなぎ倒したギドラを、どうやって退治するか。お話は、そこから始まるのです。

へえ! 11月3日は「ゴジラの日」

公開日の11月3日は、1954年に最初の『ゴジラ』が公開された日で、「ゴジラの日」とされているのだとか。前作の『ゴジラ-1.0』も同じ11月3日の公開でした。文化の日の祝日に、そんな意味もあったのですね。

怪獣の映画ではなく、日本人の映画だった

まだ焼け跡の残る戦後の町で、電灯の下のちゃぶ台を囲む家族のイラスト

この映画に出てくる人たちは、みんな何かを背負っています。

戦争のために働いてきた人。生き残ってしまったことに苦しむ人。それでも家族のために、毎日の暮らしを立て直そうとする人。壊されたままの街で、それでも家族で囲むちゃぶ台の食卓。それぞれの思いが、ひとつひとつ胸に迫ってきました。

怪獣の迫力もありながら、人のドラマとひとつに溶け合っていて、怪獣映画というより、一本の日本映画として心に残りました。

迫力の場面より、家族の場面で泣いていました。

ここから少しネタバレ。心に残った場面

※ここからは物語の内容にふれています。まっさらな気持ちで観たい方は、次の見出しまで飛ばしてくださいね。

ギドラはさらに進化して、キングギドラになってしまいます。人の力だけでは、もう太刀打ちできない。そこで呼び起こされ、キングギドラと戦わせるために引き寄せられたのが、ゴジラなのです。

神木隆之介さんが演じる主人公は、元特攻兵です。ギドラを封じるためには、飛行機が必要になります。けれど、野田さん(吉岡秀隆さん)は、彼をその飛行機に乗せてはならないと強く望むのです。一度は死ぬために飛ぶことを求められた若者を、もう二度と同じ場所へ行かせたくない。その思いに、胸が締めつけられました。

操縦に名乗り出た人もまた、つらい目にあわされっぱなしだった人でした。それでも、手を挙げる。その姿にも涙が出ました。

そして、いちばん心をつかまれたのが教授(田中泯さん)です。原爆で家族を亡くし、アメリカにやり返してやりたい。その、言葉にしようのないつらい感情が、むき出しのまま描かれていました。

それでも最後には、みんなが多くの人を助けるために一丸となって、力を尽くしてくれるのです。

映画の中のことなのに、「ありがとう」と言いたくなりました。

私は、戦争に行った人たちのことを直接は知りません。でもこの映画は、その人たちのことを思い起こさせてくれました。国のために、家族のために戦ってくれた人たちへ、ありがとう。観終わったとき、自然とそんな気持ちになっていたのです。

60代の私が、涙なしには観られなかった理由

古いアルバムに貼られたセピア色の家族写真と湯のみのイラスト

私は1960年代の生まれです。映画に描かれている時代は、私が生まれるほんの15年か20年ほど前のこと。教科書の中の遠い歴史ではなく、ほんの少し手前の話なのです。

私の親の世代は、あのころまだ子どもでした。戦争に行き、家族を守ろうとしたのは、そのひとつ上の、祖父母の世代です。その人たちがどんな気持ちで家族を守り、毎日を生きていたのか。そのことを考えずにはいられませんでした。

スクリーンの中の人たちの姿に、祖父母の世代、そして子どもとしてあの時代を過ごした親の世代の気持ちを重ねて、おもんばかって、涙が止まりませんでした。

60代だからこそ、響くものがある

この映画は、だれが観ても、ただの怪獣映画には見えないと思います。それほど人を、そして家族を、しっかり描いています。そのうえで、親を見送り、あるいは年を重ねた親と向き合う年代になったいまだからこそ、心の奥深くまで届くものがあるように思うのです。

観終わったあとも、あの時代を生きた人たちに思いを馳せていました。

これから観に行くなら

「前作の『ゴジラ-1.0』を観てから行ったほうがいい?」と聞かれたら、そのほうがより楽しめるかもしれません、と答えます。でも、観ていなくてもちゃんとわかるように作られているので、安心してくださいね。

それから、うれしいおまけも。入場者プレゼントで、暗いところで光るゴジラのミニフィギュアをもらえました。色は3種類あって、どれが当たるかはお楽しみ。全国200万体限定とのことなので、気になる方はお早めにどうぞ(2026年11月時点の情報です)。

入場者プレゼントでもらった、光るゴジラのミニフィギュア
手のひらサイズのゴジラ。暗いところで光ります

小さなゴジラが、わが家にやってきました。

予習におすすめ 岡田斗司夫さんの解説

前作の見どころを、岡田斗司夫さんがYouTubeでわかりやすく話しています。前半はネタバレ控えめなので、観に行く前の予習にぴったりです。(YouTubeで見る)

今回はIMAXではありませんでしたが、それでも迫力は十分に感じました。日本映画で初めての「Filmed For IMAX」作品とのことなので、IMAXでもう一度観てもいいかな、と思っています。

そして、涙もろい方は、ハンカチを忘れずにね。

もしよければ、映画館の大きなスクリーンで、あの時代の空気を感じてみてください。

この記事が、あなたの好奇心が発動するきっかけになったら、うれしいです。